歯周病の治療タイトル画像歯周病の治療

目次

  • 1.歯周病の治療について知っておいて欲しい事
    歯周病は早期発見、早期治療が肝心
    歯周病治療の成功のカギは「プラークコントロール」
    歯周病治療は患者様の協力なしでは前へ進めない
  • 2.治療の流れ・期間・費用
    【1日目】 歯周病基本検査 視診:歯茎の状態や歯周病を悪化させる要因を確認する PCR(プラークコントロールレコード):口腔内の清掃状態を確認する 歯周ポケットの深さ・歯の動揺・出血の有無:歯周病の進行具合を確認する レントゲン検査:歯槽骨の状態を確認する
    【2日目】 カウンセリング・TBI・歯の表面のバイオフィルム除去
    【3日目以降】 歯周ポケット内のバイオフィルムの除去
    【すべての治療が終了して3週間後】歯周病の改善具合を評価する 基本治療で改善が見られた場合:メインテナンスへ移行 基本治療であまり改善が見られない場合:再治療へ
  • 3.歯周病の初期治療について
    TBI:ブラッシング指導
    スケーリング:歯茎より上のバイオフィルム除去
    スケーリング・ルートプレーニング:歯茎の中のバイオフィルムの除去
    歯周組織の再評価

【歯周病(歯槽膿漏)の進行度別】治療の流れ・期間・費用

歯周病の治療説明導入部分の背景画像
歯周病は目には見えない歯周病菌によって引き起こされる病気でその歯周病菌はバイオフィルムという強力な膜をもって生存しています。
いわば歯周病は「バイオフィルム感染症」なのです。

そこで歯周病治療ではまず患者様の口腔内の状態を正確に把握した後バイオフィルムを徹底的に取り除いていくことを治療の基本としています。
では具体的にどのような方法で治療が進められるのかを詳しくご紹介していきましょう。

1.歯周病の治療について知っておいて欲しい事

まずは歯周病治療をはじめる前に、知っておきたい3つのポイントをおさえておきましょう。

歯周病は早期発見、早期治療が肝心

「サイレントディジーズ(沈黙の病気)」と呼ばれる歯周病は症状に乏しく、痛みや腫れなど目立った症状があらわれた頃には病状がかなり進行しています。
そして歯周病菌の最終ターゲットとなる歯槽骨(しそうこつ)は大きく破壊されると元に戻すことが難しく、完全に治癒することができません。
ゆえに歯周病はできるだけ早い時期に治療をはじめることが重要となります。
特にこれといった症状がなくても定期的に歯周病の検査を受け、歯茎の状態をチェックしておくことが肝心です。
自覚症状に乏しいために発見が遅れる

歯周病治療の成功のカギは「プラークコントロール」

歯周病を治すためにはまず何をすればよいのか?

それは口腔内に存在するバイオフィルムを徹底的に取り除いていくこと
そして再びバイオフィルムをつくらせないこと
この2点です。

歯周病治療を円滑に進めるには特に後者の「バイオフィルムを再びつくらせないこと」がとても重要になります。

歯周病治療でいかにバイオフィルムを取り除いたとしても、放っておけば歯周病菌は再びバイオフィルムを形成します。
このいたちごっこが長く続けば、いつまでたっても治療の効果があらわれず、歯周病を改善することはできないのです。

一方で私たちの口腔内には歯周病菌を含め無数の細菌が存在し、そのすべてを治療によって排除することはできません。

しかし完全に排除はできなくても、歯周病菌の数を調整することはできます。
これを可能にするのがプラークコントロールであり、プラークコントロールこそが歯周病治療を成功に導く重要なカギといえるでしょう。

歯周病治療は患者様の協力なしでは前へ進めない

プラークコントロールは
歯科でおこなうプロフェッショナルケア
患者様が家でおこなうホームケア
2種類あります。
自宅で行うホームケアと歯医者さんで行うプロフェッショナルケアが大事

どちらのケアを欠かしても、十分なプラークコントロールを達成することはできません。
患者様がおこなうホームケアとは、具体的にいえば毎日の歯磨きです。
つまり歯周病治療における歯磨きは、単なる生活習慣ではなく治療の一環としてとらえる必要があります。
したがって患者様自身が積極的にホームケアに取り組まなければ、歯周病治療は効果を上げることができないのです。

以上をふまえ、歯周病治療は患者様と歯科医院が一体となって取り組む治療であることをぜひご理解いただければと思います。

2.治療の流れ・期間・費用

ここではヒカルノ歯科でおこなっている歯周病治療の基本的な流れや期間、費用についてご紹介したいと思います。(個々の治療の詳しい内容は、次の「歯周病の基本治療について」をご参照ください)

ポケットプローブで歯周ポケットを測定している写真

1日目

歯周病基本検査の内容、費用

まず初回では現在の歯周病の進行具合を正確に把握するため種々の歯周病検査をおこないます。
具体的な検査項目は以下の通りです

  • 視診:歯茎の状態や歯周病を悪化させる要因を確認する
    視診では患者様の口腔内を観察しながら虫歯の有無や歯茎の様子を確認します。
    また同時に歯周病悪化の原因となるもの(歯に合っていない詰め物や被せ物、歯並び、咬み合わせ等)が口腔内に存在していないのかも診査します。
  • PCR(プラークコントロールレコード):口腔内の清掃状態を確認する
    1つの歯を4つの面に分割し、それぞれの面にプラークがどの程度付着しているかを診査します。PCRはのちにおこなうTBI(ブラッシング指導)の参考資料にもなります。
  • 歯周ポケットの深さ・歯の動揺・出血の有無:歯周病の進行具合を確認する
    歯周病の進行によって歯と歯茎の間に生じる歯周ポケットにプローブとよばれる特殊な器具を挿入し、ポケットの深さを測定します。
    同時に歯茎から出血はないか、また歯が動揺していないかも確認していきます。
  • レントゲン検査:歯槽骨の状態を確認する
    レントゲンによって歯を支えている歯槽骨がどの程度残っているのか、個々の歯ごとに診断をおこないます。

1日目費用

2日目

カウンセリング・TBI
歯の表面のバイオフィルム除去

治療第2日目は1日目におこなった検査からわかる患者様の現在の状態をお伝えしながら、どのような治療が必要で、どのように進めていくのかを詳しくご説明していきます。

ご自身の状況を理解していただき、治療内容にご納得いただければ治療開始です。
まずは歯周病治療では欠かすことのできないホームケアを正しくおこなっていただくために、歯磨き指導(TBI)をおこないます。

また歯茎より上に付着したバイオフィルムを専用の器具や機器を用いて丁寧に取りのぞいていきます。

2日目費用

3日目
以降

歯周ポケット内のバイオフィルムの除去

初回の検査にて歯周ポケットの深い部位(4mm以上)がある場合
ポケット内に存在するバイオフィルムを除去していきます。

ただ歯周ポケットは非常に狭いため機械を使うことは難しくすべて手作業でおこないます。

そのため一度に処置できる歯の本数に限りがあり、歯周病の進行具合によっては複数回通院していただく場合があります。

3日目費用・・・1日の処置につき1500~2000円程度

治療終了後

【すべての治療が終了して3週間後】
歯周病の改善具合を評価する

歯の表面と歯周ポケット内のバイオフィルムをすべて除去したのち
3週間ほど間をおいて治療の評価をおこないます。

初回と同様の検査を行ったうえでどの程度歯周病が改善されたか
またどの部位がまだ改善されていないかを診断していきます。

基本治療で改善が見られた場合:メインテナンスへ移行
基本治療である程度歯周病が改善されたと判断された場合
次のステップとなるメインテナンスへと移行します。

メインテナンスでは歯周病の病状に応じて3ヶ月~6ヶ月ごとに
定期チェックとクリーニングをおこなっていきます。
またその間は患者様によるホームケアでプラークコントロールの徹底をはかります。
基本治療であまり改善が見られない場合:再治療へ
再評価の結果、歯周病があまり改善されていない部位がある場合は再治療をおこないます。
また必要に応じて歯周外科治療をおこなうケースもあります。

定期メンテナンス費用

3.歯周病の初期治療について

それでは歯周病における基本治療について、具体的にどのようなことをおこなうのか詳しくご紹介していきましょう。

TBI:ブラッシング指導

歯周病治療開始時にまずおこなうのがTBIです。
TBIとはTooth Brushing Instructions(トゥース・ブラッシング・インストラクション)の略で、プロによる歯磨き指導のことをそう呼んでいます。

TBIでは患者様の歯列の大きさや歯並び、歯茎の状態に適した歯ブラシの選び方や歯ブラシの当て方、磨き方などを歯科衛生士が丁寧に指導していきます。

また歯周病菌は歯と歯の間などの狭い隙間を好む性質があるため歯ブラシ以外の補助清掃器具の使用が必須です。

TBIでは歯ブラシのみならず、患者様の口腔内の状態に合わせてデンタルフロスや歯間ブラシなどの使用方法についても指導していきます。

治療風景(歯科衛生士さんが歯垢の除去)

スケーリング:歯茎より上のバイオフィルム除去

プラークコントロールのうち、歯科医院でおこなうプロフェッショナルケアの1つがスケーリングです。

スケーリングとは主に歯茎の上の歯面に付着したバイオフィルムや歯石の除去をおこなうことで手動の器具や専用の機器を用いてこれらを機械的に取り除いていきます。
またスケーリング後は再度バイオフィルムが付着しにくいよう、歯面を滑らかにするポリッシングという処置をおこないます。

汚れの付着量によってスケーリングの回数も異なりますが、およそ1~2回で処置が終了します。

歯周病のなかでも歯肉炎や軽度歯周炎においてはスケーリング処置である程度の改善が図れるでしょう。
スケーリングの説明図

ルートプレーニング:歯茎の中のバイオフィルムの除去

歯茎の中、歯周ポケット内のバイオフィルムを除去していくのがスケーリング・ルートプレーニングというプロフェッショナルケアです。

スケーリングは上記と同じ方法ですが、歯周ポケットが深い場合は手動の器具のみで歯根面に付着したバイオフィルムや歯石を取り除いていきます。

スケーリングをおこなったあと、歯周病菌が感染したセメント質を取り除き滑らかな歯根面に仕上げるのがルートプレーニングです。
ルートプレーニングをおこなうことで再度バイオフィルムが付着するのを予防するほか、歯茎が歯根面に付着するのを促すことで歯周ポケットを減少させる効果が期待できます。

スケーリング・ルートプレーニングは歯周ポケットが深くなるほど作業が複雑になり、処置に手間や時間がかかります。
歯周病の進行具合にもよりますが1回で4~6本程度の処置となり、必要に応じて麻酔を使用する場合もあります。

ルートプレーニングの説明図

歯周組織の再評価

上記に述べた歯周病の基本治療が終了したのち、歯周病がどの程度改善されたかの再評価をおこないます。

評価の内容は初回の検査とほぼ同じで、双方の検査データを比較しながら基本治療による歯周組織の反応を分析します。

再評価の結果、一定の改善がみられた場合は予後を経過観察していき、定期検診を通して歯周病の進行具合を管理していきます。

基本治療によってあまり改善がみられない場合はその原因を探り、歯周外科治療を含めた再治療を検討していきます。

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自分でできるホームケアや予防
次のページでは具体的にどのような方法でメンテナンスしていくかを詳しくご紹介していきます。

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