ブログ 歯の豆知識
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インビザラインを途中で止めるとどうなるのか?
伊丹市の歯医者
ヒカルノ歯科
院長 永原 光
https://hikaruno-shika.jp/staff.html
伊丹市の歯医者ヒカルノ歯科です。
今回のブログではインビザラインを途中で止めるとどうなるのか?について解説していきます。その前にマウスピース矯正とは何なのか?そもそもインビザラインって何なのか?そのメリット、デメリットも解説した上で、お話を進めていきたいと思います。最後までぜひご覧ください。
◎矯正の種類について
大きく分けると、ワイヤーを使用した矯正治療とマウスピースを使用した矯正治療、それと小児などに用いる床装置や筋機能装置などに別れていきます。
ワイヤー矯正治療の中には、最もスタンダードな治療方法と言われている歯の表側に装置を付けるラビアル矯正と歯の裏側に装置を付けるリンガル矯正に分かれています。
ラビアル矯正はもっとも長い歴史があり、ほとんどの症例に対応することができると言われています。一方で歯の表面に装置を付けるため、他の人から見えてしまうといったデメリットもあります。
リンガル矯正はラビアル矯正と異なり、歯の裏側に装着するので、周りの人に気づかれくいというメリットがあります。
そして、それぞれ、色々なメーカーから装置が発売されていて、呼び名は様々です。
マウスピース矯正に関しましても、数多くのメーカーがあり、販売元によって、商品名は変わってきます。また、治療の進め方も大きく異なります。
◎マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は、従来の針金を歯に直接装着して動かしていく装置とは異なり、患者さん自身が取り外し可能な弾力性のある透明な特殊な素材で作られたマウスピース型の矯正装置です。
◎インビザラインとは?
マウスピース矯正装置を取り扱っている企業は世界各国に数多くあり、会社の製品ごとに呼び名は異なります。日本で最も代表的なものはアラインテクノロジー社のインビザライン、ストローマン社のクリアコレクト、デンツプライシロナ社のシェアスマイルなどです。
当院が取り扱っているインビザラインとは、アラインテクノロジー社が取り扱う透明な取り外しができる患者様一人ひとりに合わせてカスタムメイドされるマウスピース型の矯正装置です。アラインテクノロジー社はマウスピース矯正のパイオニア企業であり、アメリカをはじめ 100以上の国々で利用されており世界のトップシェアを誇っています。治療実績も20年を超え、これまで全世界中で1200万人以上(そのうち10代が200万人以上)がインビザラインによる治療を受けています。
インビザラインシステムでは、まず、「iTero エレメント」と呼ばれる専用の口腔内スキャナーでお口の中の3Dデータを取り込み、特殊な矯正治療専用画像ソフトを用いて治療前の歯並びから理想的な歯並びにしていく過程をシュミレーションしていきます。もちろん、このシュミレーションを患者様自身もご自身のスマホなどで確認することができます。その後、シュミレーションの各ステップ毎に合わせたマウスピースを一括で作成していきます。治療に入る前に綿密なシュミレーションを行うことで、結果としてより確実でスムーズな治療の提供を可能としています。
◎インビザラインのメリットとは?
インビザラインのメリットは下記の通りです。
・取り外しができる
・食事がしやすい
・歯ブラシがしやすいので、むし歯や歯周病になりにくい
・1週間に1回ずつ新しいマウスピースに切り替えていくので、衛生面でも優れている
・他の人から強制装置をつけているということが分かりにくい
・治療前に作成した治療シュミレーションの画像データと治療途中のお口の中の状態を専用のソフトで重ね合わせをすることで、シュミレーション通りに治療が進んでいるかどうかを確認することが容易にできる
・従来のワイヤー矯正では行うことが非常に難しかった、臼歯部の遠心移動を行うことができる。つまり、抜歯を回避する可能性が高くなる
・治療が順調に進行しているという確認が取れれば、通常ワイヤー矯正であれば、1ヶ月に1回通院しなければならないところを、2ヶ月から3ヶ月を空けての通院が可能になる
・従来の装置と比べて、歯を動かす時の痛みが出にくい
・矯正治療と並行してホワイトニングができる
以上、インビザラインのメリットです。非常に多くのメリットがあり、マウスピース矯正の中でもインビザラインは非常に優れた治療方法です。
◎インビザラインのデメリットとは?
インビザラインのデメリットは下記の通りです。
・患者さん自身、取り外しができるので、患者さん自身による適切な使用が守られないと思ったような治療の効果は望めない場合がある
・装着したままコーヒーや赤ワインなどの着色の強い飲み物が飲めない
・マウスピースのみで、予想したような歯の動きが獲得できなかった場合は、補助的な装置を使用しなければならない時がある
・装置を紛失した場合、再度作製し、手元に届くまで、時間がかかる
・歯がきちんと萠出していない場合には、マウスピースが適応できない場合がある
以上、インビザラインのデメリットです。メリットと比較してもあまりデメリットは多くなく、治療方法としては非常に優れています。
◎インビザラインを途中で辞めるとどうなるのか?
どの段階で辞めるかで、かなり状況は変わってきます。
まず、抜歯をして治療をはじめたのでなければ、かつかなり初期の段階で辞めてしまったのであれば、治療前の状態に戻っていく可能性が高いと思います。
一番の終盤、終わりかけの状態で辞めた場合は、治療の前の状態に戻ることはないですが、きちんとしたかみ合わせにも仕上がっていないので、時間の経過と共に大きく歯並びが崩れていく可能性が高いと思います。
一番まずいのは、治療の中盤かつ抜歯も伴っている場合、治療の中盤は全くかみ合わせが安定していない状態ですし、歯並びの状態そのものが中途半端な状態なので、「噛まない」「並んでいない」「隙間は空いている」「歯が傾斜している」など、色んなリスクを抱えた状態で、止まることになるので、将来的に取り返しがつかない状態になる可能性がとても高いと思います。
なので、矯正治療に関しては一度やり始めたら、必ず最後まで治療を継続することを強く推奨します。
妊娠をした、病気になってしまって通院ができないという状況になった場合は、即かかりつけの歯科医師に相談されることをおすすめいたします。
◎当院がマウスピース矯正を進めるにあたって気をつけていること
矯正期間中は装置の種類によっては、ご自身でのプラークコントロールが難しくなる場合もあるため、治療期間中に悪化させることがないよう、事前にむし歯や歯周病を治すように心がけています。また、治療期間中のむし歯や歯周病などの予防の仕方も患者さんご自身が行えるように、覚えていただくためのお時間をお取りしています。
また、マウスピースタイプの矯正治療の特徴として患者さん自身での装着及び管理が非常に重要となるため、治療をされる方が学生さんであれば、部活や受験によって装着できないケースがないか事前に確認するようにしています。
その他、お仕事をされている方の場合は、転勤や引っ越しなどが、予定にないか確認をしていただき、確実に治療が行えるかどうかの確認を行います。
患者さんの治療前の状態から理想的な状態に治していくにあたって、無理な治療計画にならないよう、事前にお口のなかの資料をとり、口腔内スキャナーで3Dデータを作製し、ゴールまでの歯の動きをシュミレーションしています。予め患者さんご自身にも見ていただき、納得していただいてから治療に取り掛かるようにしています。
◎インビザラインをおすすめできない人
インビザラインをおすすめできない理由は様々ありますが、まずはお口の中の衛生士状態が悪い、ご自身でのプラークコントロールを行うことが難しいなどの場合は、矯正治療途中のむし歯の多発を招いてしまうため、おすすめすることが難しいと思っています。
上顎や下顎の顎の骨、そのものが正常な範囲よりも大きくズレがある場合には、マウスピース矯正で対応できない場合はあるため、その場合はおすすめすることができません。
これまでに複数本の歯を失っているような場合にも、マウスピース矯正が適応できない場合があります。
1日の装着時間が20時間以上必要なため、様々な理由からその装着時間を守ることが困難と予想される方にはマウスピース矯正をおすすめすることは難しいと考えています。
◎まとめ
マウスピース矯正といっても様々な種類があります。アラインテクノロジー社のインビザライン、ストローマン社のクリアコレクト、デンツプライシロナ社のシェアスマイルなど、それぞれのマウスピース矯正の特徴や治療方法、治療期間は異なります。
また、それぞれにメリット、デメリットも異なりますので、矯正治療を行う場合は、正しくその点を理解してから進めていく必要があります。
そして、今回のブログのタイトルでもあります矯正治療を途中で辞めてしまった場合はどうなるかについてですが、これは治療のフェーズによって、どうなるかが大きく異なります。一番最悪なケースは治療の中盤、そして抜歯が伴っているケースです。このケースでは、歯並びやかみ合わせが将来的に大きく崩れていく可能性が高いので、やむおえず治療を断念しなければならない場合は、すぐにかかりつけの先生の判断を仰ぐ必要があります。
正当な理由がない限り、矯正治療を途中で辞めるということはおすすめできません。はじめたからに最後まで治療を受けるようにしましょう。
当院にはマウスピース矯正の専門医も在籍しておりますので、矯正治療に興味があるから、当院のHPからお気軽にお問い合わせください。
伊丹市の歯医者
ヒカルノ歯科
院長 永原 光
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